マカオ
かつては漁村と貿易港だったマカオ 現在はギャンブルと文化と美食が共存するネオン輝く「アジアのベガス」
海を見下ろす小さな土地に、20を超えるラスベガス・スタイルのカジノとポルトガルの港町ポルトの建物や大通りを模した街並みが混在している様子を想像すれば、マカオの髄がよく理解できる。香港から約60km離れたマカオでは、教会や寺院、また砦や地中海風の広場など、ポルトガル植民地だった数世紀の歴史を見ることができる。
かつて、マカオの面積は1平方マイルほどにすぎなかったが、500年にわたる埋め立て事業の結果、今ではマカオ半島、コロアネ島、タイパ島に加え、新たにできた両島間の埋立地で構成される。両島間はコタイ・ストリップと呼ばれており、ギャラクシー・マカオ、ベネチアン・マカオ、そしてシティー・オブ・ドリームズなどの巨大なカジノリゾートが集中する地区となっている。これこそがマカオが急速にアジアで人気の観光地となっている大きな理由だ。
観光スポット: マカオ
-
世界一のギャンブル都市
ラスベガスが「西洋のマカオ」と呼ばれているなどと聞けば、アメリカのギャンブラーたちをイライラさせるかもしれないが、2010年の売上高でマカオが世界一のギャンブル都市となったことを考えれば、この呼び方にも納得させられる。昔の雰囲気を好むギャンブラーにとっては、香港富豪のスタンレー・ホーのホテル・リズボア(Hotel Lisboa opens in new window)が今も人気だ。しかし、ここ数年は、サンズ(Sands Macao opens in new window)、ウィン(Wynn Macau opens in new window)、ベネチアン(Venetian Macao opens in new window)、ギャラクシー(Galaxy Macau opens in new window)、さらにシティー・オブ・ドリームズ(City of Dreams opens in new window)などのラスベガス風カジノが次々と現われている。さあ、どれに賭けてみようか?
-
世界再現のフィッシャーマンズワーフ
ベニス、アムステルダム、ニューオーリンズ、イタリアン・リビエラといった港町を訪れたいと考えていれば、マカオではフィッシャーマンズ・ワーフ(Macau Fisherman’s Wharf opens in new window)がいいだろう。外港のフェリーターミナルからわずか数分のフィッシャーマンズ・ワーフは、テーマパークとライフスタイル・ハブとなっており、世界中の名所が再現されている。夜になると「噴火する」ブルカニア火山のレプリカ、バスコ・ダ・ガマ・ウォーターワールド(Vasco de Gama Waterworld)でのパフォーマンス、遊園地風のアラジンの砦など、子供向けと言えるが、食事、ショッピング、ホテル、エンターテインメントも集まる場所ともなっている。
-
マカオ一の高所
高層ビルの建設が止まないマカオだが、荘厳なギアの丘(Colina da Guia)の高さを追い越す建物は出現していない。「近代中国の国父」と称えられる孫文の記念館(Sun Yat Sen Memorial House)に近いこの丘にはギア要塞と灯台が立つ。17世紀に建てられた灯台は、中国沿岸の灯台としては最古。丘からの景色も素晴らしく、歴史と芸術を学ぶ場ともなっている。ロープウェイを使って二龍喉公園(フローラガーデン)まで戻るのも楽しいだろう。
-
歴史地区
波模様のモザイクから、ひと目でそれとわかるセナド広場(Senado / Senate Square)はマカオ歴史地区の中心。仁慈堂の宗教美術品や黄色と白が美しい聖ドミンゴ教会(São Domingos / St. Dominic's Church)には感動するだろう。また、建築物として目を見張らせる民政総署の内部には、石畳が敷かれた庭園や図書館、そして木製の内装が美しい議場があり、公開されている。
-
そびえ立つ天主堂跡
マカオと言えば想起されるのが代名詞ともなっている聖ポール天主堂跡(Ruins of St Paul’s / São Paulo)まで続く壮大な石段とそびえ立つファサード。一度ばかりか、1601年と1835年の二度焼失しているが、写真で見るのではなく、実際に訪れてみるとその存在に圧倒される。ともに焼失してしまったのは、隣接していた大学と古典の蔵書で知られた図書館。天主堂を再建しようとする努力もなされたが、多くの人が思い描くような偉大な建築物に建て直すことは現実にはどうやら難しいようだ。
空港情報
CBD(中央ビジネス地区)から 4kmでコタイ、6kmでコロアネ島。
所要時間 コタイまで約5分、コロアネ島まで約10分
タクシー 約40~70パタカに割増料金5パタカと、トランクへの荷物の積込みがある場合は別途3パタカが必要。
シャトルバス 無料で、15~20分毎に出発している。
旅行に適した時期
涼しくて湿度が低く、また晴天の日が多い10月中旬~12月が最もいい時期だろう。雨季は4月~10月。降水量がピークとなるのは5月と7月~9月で、9月は台風シーズンでもある。年間の平均気温は20°Cほどだが、夏季には30°Cを超える日もある。冬季でも10°Cを下回るような日はめったにない。
中華圏のほとんどがそうであるように、1月か2月に訪れる旧正月にはお祝いムードとなり、パレードやお祭り、また寺院ではカラフルな行事が行なわれる。アートフェスティバルは5~6月、ドラゴンボートフェスティバルは6月、国際花火コンテストは9~10月、さらに市街地レースのマカオグランプリは11月に開催される。
ページトップに戻る移動手段
トランスマック(Transmac)、TCM、レオリアン(Reolian)の3社が路線バスを運行しており、半島部、タイパ島、コロアネ島、またコタイの主要観光スポットが路線に組み込まれている。「マカオパス(MacauPass)」カードをコンビニで購入しておけば、すべての路線バスに使用できる。タクシーには車体が黄色(電話:+853 23 519519)と黒(電話:+853 28 939939)の2種類あり、予約することも可能。また、1920年代にイギリスで走っていたバスのレプリカと言える昔風のペディキャブを利用したり、タイパ村(Taipa Village)の官也街では自転車のレンタルもできる。
ページトップに戻る